大学の運営を厳格に(上から言われてやるのでは遅い)
昨日の今日でこんなニュース。
- 厳格な成績評価 大学に求める(NHK,2007/09/10) ※明日にはURLが変更され数日でなくなると思われる。
- 大学の卒業、厳格に 「全入時代」迎え質を確保 中教審(朝日,2007/09/10)
ちょうど昨日買って昨夜読み終えた,
と共通する部分が多い(金子さんが中教審の委員でもあるし)。これまでは学生からの評価が重視されていたが,これは大学側・教員側からの教育に対するスタイルやそれに相応しいシステムを提示した上での話だろう。
同書p.120の『知識の爆発・知識社会化・グローバル化』の中で,社会に出ていく学生に対して何を伝授し,何をともに学ぶのか,ということが厳しく問われている。
我田引水のなるが,p.175の図表6-2の『双方向性』,『授業ウェブサイト』や『学習ポートフォリオ』についてはすでに数年前から個人的に取り組んでいる。
- 例えば,『学習ポートフォリオ』については,授業用の出発点にあげてある:講義用トピック /まずはここから!!
- ここでは, ポートフォリオインテリジェンス(金沢工業大学院Blog)にリンクしているが上掲書p.177ではKITの教育/アクロノール・プログラムを紹介
なお,上記「まずはここから!!」の中では,
へのリンクを張っているが,
- 三宅玲子『現代の肖像 山田ズーニー●コミュニケーションインストラクター』,AERA 2007年8月27日号
が掲載されており,最近はSFCでも「ライティング技法ワークショップ」ほか2講座を担当しているとか。自分が何を考えていて,それをどう表現すればいいのかは上記ページを読めば十分とさえ思う。いつも参考にさせてもらっているブログでも高く評価されている。
この点は金子さんの本では例えばp.140の『論理系・伝達系・意欲系の基礎能力』と繋がっているだろう。さらに同p.187の『財政的基盤』についても冒頭のニュースで考慮されているように思われる。
大学というシステムが持っているべき「先を見通す力」が変化の激しい時代に一層重要になっていることなのだと思う。そしてそこにはコスト意識が欠かせなくなっている。