情報教育の環境整備そしてブログ入試

上記発言のネット教材作成,あるいは2005/01/15に書いた“大学教育の情報化”について。
ある程度の台数を置いたコンピュータ室も必要であるが,4年制になるならば4年間使えるということで,学生個人個人にノートパソコンを買ってもらって,自宅と大学で同じ機種を使っていくという手法も可能になるだろう。そのためには無線LANあるいは学生の机にLAN端末をつけた教室が複数必要になる。また,その環境を維持したりトラブルに対応できるスタッフ(技術職員や実習助手など;ビデオ教材作成の技術も有することが望まれる)も学生のいる時間帯は常駐する必要がある。
個人パソコン利用という点では,昨年の夏に鳥取大学での特別講義で経験させてもらうことができた。パソコンを買わせてもなかなか使いこなせないようなのでいろいろ刺激して欲しいという有り難いリクエストだったのだが(ブログのことなども話してしまった),ソフトのインストールなど事前準備には声をかけて下さった先生や研究室の院生に大変なご苦労をおかけした。この辺は,高校で「情報」を習ってくることで状況は変わってくるのかも知れない。



このように県外から講義を依頼されるのもネットで教材等を公開しているお陰で,4大になった場合は,設備投資の費用対効果という意味でどの科目でも更なる活動が求められるであろうと考えている。
常備してあるパソコンとLAN環境での講義という点では,2003年度に以下の講義を担当した経験がある。これも出向いての演習という意味では講義する側でも苦労した面が多々あるが,学内でできるようになれば本当に有り難い。

さらに施設の有効利用という意味で,県内の小・中・高校生や社会人を対象とした講座などを開くことが可能になるであろう。この面での筆者の貴重な経験が以下になる(類似の出前講座を随時受け付けていることはサイトでアナウンスしている)。



高校生対象ということであったのに,会場に着いたら小・中学生や社会人まで参加していたので講義の進め方で戸惑ったが,京都という土地柄もあって熱心な生徒や市民が多いのかと感じたことを覚えている。
なお,主催者の資金が潤沢であるためか,専門の録画カメラ2台で撮影してくれ(動き回る教員や生徒とプロジェクタ画面など打ち合わせなして記録するのはプロでなければできない。また講師が付けているマイクで録音しているので雑音が入らない),編集もしっかりやってくれて同センターに行けば誰でも見れるようになっている。私もビデオのコピーをいただいて,学内サーバに置く件については許可をもらっているが,動画ファイルにする作業をやっていないので未公開状態である。
このような講義ビデオは,学生が就職活動などで欠席しても見てもらえるという点で,あるいは上記発言の市民への公開という意味でも,大学の財産として重要なものになると考えているし,そのことを念頭に置いて今の時代に必要とされるカリキュラムを検討していくことは大事なことだと考えている。
最後にもう一つ。これまでも大学の講義でブログを使う有効性を述べたが,学生の個人パソコン活用促進という点でも望ましく,入試で受験生にブログ作成を課して評価するというとうな試みも可能だと夢想している(学生のブログを見て採用を決めている会社もあるのだし)。そのためにはまず教員側の情報教育のスキル向上が求められるであろう。