学界または学会での活動

筆者はこれまでに,自分の興味や将来的に必要と思われる分野の学会・シンポジウムを積極的に聞きに行ったり研究発表をしたりしてきた。その関心ある事項は,自分なりに勉強したことをWebページに書くようにしていたので,場合によっては所属していない学会や研究会からも参加の依頼があったり,論文の審査を頼まれたりしたこともネットの力の1つだと感じている(2005/12/15に書いたナノ学会もその例)。
学会という専門家の集まり(最近は市民が参加している学会も増えているが)で,発表したりすることは,学生時代に研究室や学科の先生方の勧めで学会の年会あるいはセミナーに参加したことで,その雰囲気とシステムを勉強できたことが元になっていて,公園デビューならぬ学会デビューも,研究のやり方と同じようにやはり先達の導きがあったからであることは間違いない。
その経験を教員になってから学生に伝えていくのは当然のことと考え,前の職場や現在の短大での学生の卒業研究のうち,可能なものは連名で報告することも意識して続けてきた。学会によっては女子短期大学というところから発表しているのは自分のところだけだったりするが,4年大になれば多くの卒業研究を外部に報告していくことも求められるだろうし,内容のさらなる充実が望まれる。

    ※参考:以下の写真は2003年に新潟市朱鷺メッセ日本環境化学会 第12回討論会が開かれたときに撮った共同研究者であるゼミ生2人の記念写真(肖像権の関係で画像を加工)。同学会は論文誌を読むために入っていたのだが,地元開催ということで頑張って発表させてもらった。発表申し込み直後,それを確認していなかった実行委員の先生から発表のお誘いがあったのもネットのお陰である。

    ※画像クリックで同討論会で発表したコンテンツ例へ(要・Chimeインストール
関連して,2006/01/21には“他大学との連携という面で他に考えられるのは,協力して学会の年会を誘致するなどのこともやり方によっては可能になる”と書いたが,学会運営の大変さを考えれば,いつも発表させてもらうだけでなく学会を開くことも必要になってくるだろう。これについては新しいカリキュラムでどのようなものを柱にして協力し合っていくかということと,新しく来ていただく先生方の専門とは切り離して考えることはできない。参加人数(学会全体の会員数とは異なる)が比較的少数の場合といえども作業量を考えれば,学内に1人だけでは開催は不可能だからである。
実は,昨年の日本コンピュータ化学会2005秋季年会(徳島大学 蔵本キャンパス)の懇親会で,理事の先生から2006年の秋季年会を県立新潟女子短期大学で開催することを打診されたのだが,上述のように1人ではとても無理で申し訳ないのだけれどお断りしてしまった。
同学会の前身である化学ソフトウェア学会の,

の時は,化学分野のコンピュータ利用に熱心な新潟大学工学部の伊東先生*1にお願いして委員長と会場校を無理に引き受けていただき(学会には入っていなかったのに登録していただいて),大変な助力をいただいて開くことが可能になったのだが,今回もというのは少し無理があると考えた次第である。
新しい大学は,参加人数が100〜200人規模の研究会・年会であれば開催できるような施設にしておくことも,新潟を知ってもらう上で大事だと考えている(それ以上になれば朱鷺メッセを利用)。また,最近の学会は著名な研究者による講演会を市民が参加できる形態で企画することも多いので,そのようなこともできれば大学の地域貢献になるだろう。また,上記年会では懇親会を新潟大学の生協で引き受けてもらったが(懇親会は地元の名産をアピールできるので,高校時代の友人に「越乃寒梅」を都合してもらったりもした),そのようなイベントができる食堂もあるといいが,と勝手に考想している。こういうことも,大学の存在を県内外に知らしめる重要な発想ではないだろうか。
なお,どのような学会が開催可能になっていくかは,産学連携や新産業の創造,あるいは県立大学構想案に書かれている『新たな価値創造』とも確実にリンクしているだろう。

*1:「化学工学資料のページ」の運営などネット上でも幅広く活躍されている