短大のサーバ停止に寄せて

nicol052007-01-28

私のWebページの本体はプロバイダサービスを利用して私費で運営しており,現在は契約容量が450MBで月額3,675円となっている。もっと安いサービスもあるし,自分でサーバを運営している人も多いが,古くからのURLを変えたくないのと維持管理を大手に依存する安心料と割り切っている。
そのメインサーバには職場・自宅双方からFTPしており,一部コンテンツを転載している短大のサーバ(こちらは県費で維持されており,個人負担はない)には職場でFTPしている。
25日に研究室から短大サーバにFTPしようとしたらアクセスできず,www.ac.jp自体が障害でダウンしていることがわかった。一部は復旧したようだが上図のように私のページはまだ表示されない。サーバ管理は担当の先生方と管理業者に頼っていて,いつも申し訳なく思っているのだが,今回も大変さが想像できる。
それで,SINET(学術情報ネットワーク)という大学独自の“ac.jp”の役割について改めていろいろ考えたりしている。
例えば,Googleで“環境ホルモン”を検索すると,メインではなく短大に置いてある方のコンテンツが今日現在トップに出てくるが(コンテンツや時期によって異なる),現在はクリックしても表示されないことになる。

信頼できる情報を絞り込むために“ac.jp”や“go.jp”などサイト指定検索する場合も少なくないが,“ac.jp”指定で引っかかるのも大学にいる特権であろう。逆に言えば,“ac.jp”を名乗っているサーバはそれなりに情報発信の責任を担っていることにもなろう。Web2.0時代になって,無料で誰もが情報発信できるようになって一層その役割は大きくなっている。
そのことは本ブログでも再三強調してきたし,最近公開された以下のページを見ても確認できる。

自分の大学内だけでなく,学外からも参照できるWeb教材が増えてきているのは有り難いばかりである。言い換えれば,情報の受け手でだけでいることは許されないということになるのだけれど。
また,私の講義資料は自宅でも参照できるように学外向けサーバで公開しているが,これも2箇所に置いているので一方がダメでも一方は閲覧できるようになっている。

この資料には,講義で紹介したページを学生が見直して理解を深めたり(リンクを辿ることもできる),欠席した場合に自習したり,次の時間で取り上げるコンテンツを予習したり,見て欲しいテレビ番組の予告を見て前もって見ておけるようにしたり,という役割を持たせている。
この“予習”という意味では,北大の先生が書かれている次のブログ記事を読んでも,その利便性を理解してもらえると思う。

現在はここに書かれているように,e-ラーニング資料は出しっぱなしにするのではなくアクセスログの解析で利用者の反響を確認できることも重要である。
短大サーバのアクセスログについては,2006/01/20に紹介したが,今回のサーバ停止で以下のようになっている(2007/01/28時点)。


利用者のためには,代替サーバの確保など“ac.jp”として安定に情報を提供できる環境つくりも欠かせないことを意味している。と言うのも,

で書いたように,中越地震発生時に新潟県庁・各市町村・県内大学の緊急情報発信状況を確認した経験があるからである。今後,緊急地震速報気象庁資料参照)が出されるようになると講義以外でも公的サーバの役割が増えると予測されることからも重ねて強調したい。
最後に余談。私の講義・演習では,受講生にブログを書いてもらっているのだが,これは学外の無料サービスを利用しており,今回のサーバ停止の影響は受けずにいる。大学内で学生用ブログシステムを立ち上げているところもあるが,通常卒業後は利用できなくなるであろうから,卒業後の継続という意味でも通常のサービスを利用する方がよいと考えている。もちろんどちらにしてもサーバのエラーで書いた記事が消えることはあり得るので,データのバックアップは個人の責任である。