東大の攻めの姿勢から考える

昨日の朝日新聞土曜版be「フロントランナー」欄は,

世界戦力と「知の構造化」という語に象徴される大学の理念提示と全学的な情報発信の熱意に圧倒される。
大学という存在とてもはや坐していても何も前進しないことは,例えば工学部における以下のような動きを見ても明々白々である。
「変革する大学」シリーズ東京大学工学部 2007-2008年版 (日経BPムック 「変革する大学」シリーズ)


T lounge blogの記事例:オープンキャンパス(2007/08/01)

東大にいる研究者の仕事はそれこそネット検索すれば山ほど見つかるだろうが,それとは違うルートでのアナウンスも必要になっていることは間違いない。
2007/07/29に紹介した本,

も,二昔前なら例えば,
学問の現在

  • 山口昌哉・佐和隆光・坂本賢三・富永茂樹 編著,「学問の現在」,駸々堂(1998)

のように多数の大学の協力によってその時代の学術の俯瞰がなされていたのに,今は東大単独でそれをやってしまっている面もある。
そのことは,
科学 2007年 08月号 [雑誌]

の執筆者の所属の多くが東京大学になっていることからも裏打ちされる。
地方国立大学でさえ連携の必要性が語られている中,新潟という地でも知の集約と連携・情報発信が不可欠と考えるのだがいかがなものだろう。
Wikipediaに,

という項目ができていることからも,一新潟県民として早急な手当てを望むばかりである。

    ※追記(2007/08/06):今朝の朝日新聞教育欄・大学に上記ブログT lounge blogの作者,内田さんを紹介する記事が『工学の魅力を伝えたい』というタイトルで載っていました。

*1:『100年後・1万年後からみた現在』という語に象徴される展望力と,取り上げられているテーマに今何をやるべきかという選択眼の必要性が編集者の主張としてうまくまとめられている。中越沖地震前に書かれた短期集中連載の『原子力発電所の耐震設計審査指針改訂の諸問題』も時機を得ていて次回が待たれる。