新大学の「突破口」は「燃えよ,田舎ども」?

2007/10/17に書いたように,猪口孝先生が学長予定者に決まり,翌日の県庁で記者会見の後,本学会議室で挨拶があった。これまで県庁の資料でしか公表されてこなかった新大学の概要について,初めて県民に対して当事者の肉声で語られたというところかもしれない。
当日夜のローカル放送のニュースや翌日の新潟日報で記者会見の様子が伝えられ,その中に「燃えよ,田舎ども」*1というキーワードがあった。本学でのお話の中にも,「ひとづくり」,「地域振興」,「県内大学の連携」という語があり,現状の厳しさを打開する役割を新生・新潟県立大学が担うということだろう。
また,開学予定の2009年春まで時間が限られており「1年半(あるいは「残り半年」)が勝負」で,「(県民あるいは全国に)賛成してもらいことが必要」あるいは「みんなを巻き込む」ということを実現するにはこの大学冬の時代に本当に厳しい。個人的には県立大学の構想を県内外にアピールし続けることが必要だと訴えてきたつもりだが(このブログもその一環),これまでは残念ながら全学的なあるいはアクティブなメンバーによる動きが見られなかった。
新大学についてもブログを見る限り大きな反響がなく(キーワードも大きなインパクトを与える必要がある),果たして県民に歓迎あるいは期待されているのだろうかと不安になってしまうところがある。限られた時間で「突破口」は見出せるのだろうか。
挨拶の中では全国的なレベルや期待の見極めになるとして初年度の入試を重視するという発言があったけれど,全国の有名進学校や猪口先生の出身校である新潟高校などから多くの受験生が押し掛ける魅力を短期間で打ち出すことができるだろうか。
今回のように想いを語っていただいたことは歓迎するし,今後は是非ネットを通じて新大学の具体的な姿をつくり上げる過程を公開するよう期待したい。
というのも,猪口先生が現在所属している中央大学については以下のようなニュースがあり,Webでの情報発信の重要性は十分ご存じと思うからである。


中央大学のホームページ
(2007/10/21)

なお,猪口先生ご自身は,多くの研究や国内外での活動だけでなく一般向けの書籍を多数書かれているとことが心強い。

新書マップ〜テーマで探す新書ガイド〜における“猪口孝”検索結果
新書マップについては別ブログに詳細と拙著の記事

是非さまざまなルートで,斬新な大学を強烈にアピールしていく先頭に立っていただきたい。

*1:この“ども”は何を単位とした複数なのか不明だが,あるいは日本の地方全部を指しており,地域振興の先頭に立つという決意表明だろうか。