柏崎刈羽原発7号機運転再開?(新潟県立大学入学式の日に)
先ほど起きて新聞を見たら1面トップが以下の記事。昨日の高橋留美子展の話題から一転原発の話になるが,これも新潟県とは不可分であり県外からのイメージということでも重視しなければならない(進学する大学を選ぶ受験生の視点という意味でも)。
新潟版には「完全あり得ない 地元意向で対応」,「人の知恵に限りがあることだと思っている」といった泉田新潟県知事の発言が紹介されている。
新大学での私の担当科目では,何れも2年次以降の開講になるが,「科学技術社会論」,「科学コミュニケーション論」,「環境化学概論」*1(“化学”では核力は通常あまり言及しないのだけれど)で取り上げる問題になる(放射能の生物への影響という観点では「生命の化学と情報」も関係)。特に「科学技術社会論」では上記発言の『科学技術の限界』に言及しながら,私が勉強し続けていることを話したいと考えている。新潟市を含めて『地元』でどう話し合っていくかは「科学コミュニケーション論」の重要なテーマである。
柏崎刈羽原発(本ブログでの言及記事一覧)については,一昨年新潟大学で開催した,
- エントロピー学会 第25回シンポジウム ※このページは実行委員として私が担当
- 参考(同学会でいただいたデータをアップ):市民団体が請求して公表された柏崎刈羽原発被災の写真676点(070716-070727)|7号機関連(23枚)
2007/07/16発生 新潟県中越沖地震関連情報(生活環境化学の部屋・NBCテロ)
※別ブログ記事(2007/10/20)も参照
のオプショナル・ツアーで地震後の柏崎刈羽原発を視察したほか,関連テーマがいくつか設けられた。この時参加された黒田光太郎さん(名古屋大学)は県の『設備健全性、耐震安全性に関する小委員会』の委員でもあるし*2,井野博満さんは以下の雑誌最新号小特集に寄稿している。
- 『オピニオン:柏崎刈羽原発・再開への疑問』,科学,2009年4月号(岩波書店)
さらに昨年の下記学会年会では,『柏崎刈羽原子力発電所地震災害の政策的意味』(吉岡斉さん,黒田光太郎さん,上掲誌にも書かれている石橋克彦さんによる)あるいは『市民社会の意思決定のための情報は誰がつくるのか』といったワークショップが開かれ,熱心な議論を聴くことができた。
一昨年柏崎刈羽原発を視察した際に,一基で100万kWh(再開見通しの135.6万kWh)の発電能力を持つ原子炉の実物を初めて目の当たりにし,その予想外の小ささと能力のギャップに以下の式の底力を思い知らされた。
kizasi.jp“柏崎刈羽原発”検索結果(画像は本記事執筆時点)
*1:掲載記事例:原発ごみ処分場の審査、100万年後まで考慮 米規制委(朝日,2009/02/19)
*2:2009/03/21に記したフォーラムでも休憩時間にお会いしして少し話ができた。